矯正歯科の基礎知識
埋伏歯とは
子どもはもちろん、大人にも多く見られるのが埋伏歯(まいふくし)です。埋伏歯は、歯が歯ぐきから出ないでそのまま埋もれている状態をいいます。一般的な症例で見ると、親知らずなどがこの埋伏歯の状態になっていることが多いです。
また、上顎前歯の歯根周辺に通常の歯とは関係のない過剰歯といわれるものが埋もれていることも多く、それらは上顎正中埋伏過剰歯と言われています。
埋伏歯には完全埋伏と不完全埋伏(半埋伏)があり、完全埋伏はその名称からも分かるように歯ぐきの根元に歯が埋もれている状態のことをいいます。一方、不完全埋伏は歯の一部が歯ぐきの外に露出している状態です。当然、歯は普通であれば歯ぐきの外にしっかりと露出しているものであり、埋伏歯を放置していると虫歯や歯周病、歯列不正を引き起こすことがあります。
親知らず以外の埋伏歯は成長期の子どもの検診時に発見されることが多く、早期治療により、埋伏しそうな歯を正常に生えさせることもできます。 いわゆる親知らずは20代全般に生えそろうといわれています。生えるときにスペースがないために前方の歯を押しながら生えるために歯列不正を引き起こすことが知られています。 よって特に痛みが無くてもその時期に埋伏している親知らずを歯科医師に診てもらったほうがいいでしょう。
埋伏歯はそもそも不自然な状態であり、長期間にわたって放置していると周辺の歯列を歪めてしまったり、噛み合わせのバランスを乱してしまったりと、さまざまなトラブルを引き起こす可能性が考えられるため、トラブルを誘発する前の段階で早期に手当てを行ったほうが適切であるケースもあります。まずは定期検診で、埋伏歯の状態を知ることが大切です。